胃生検Group分類は,「胃癌取扱い規約」によって定められた生検組織診断の客観的かつ簡便な分類法である.
「胃癌取扱い規約第8版」(1971年)に初めて掲載され,1985年の第11版においてマイナーチェンジがなされ,最新の第14版1)において大幅に改訂された.
この新Group分類においては,内容の変更だけでなく,表記法も旧Group分類のローマ数字から算用数字に変更され,大腸生検と統一された.
新Group分類の概要を以下に示す.
Group分類は上皮性病変に対して行われるもので,非上皮性病変に対しては適用されない.
生検診断に当たっては,組織学的診断名を記載したうえで,Group分類を付記する.
Group 1 ; 正常組織および非腫瘍性病変
旧分類のGroup Iは新分類のGroup 1のままであるが,
旧分類のGroup IIは“異型を示すが非腫瘍性と判定される病変”なので,新分類ではGroup 1に分類される.
Group 2 ; 腫瘍性(腺腫または癌)か非腫瘍性か判断の困難な病変
新Group分類において,最も注意して取り扱わなければならないのはGroup 2である.
旧分類のGroup IIとは同じ数字でありながら,全く異なったカテゴリーの分類となっており,
旧分類ではGroup IIIあるいはGroup IVに含まれていた病変の一部が新分類Group 2に分類される.
新分類のGroup 2は再生検・経過観察,場合によっては診断と治療を兼ねた内視鏡的切除が必要な病変であるが,
一方,旧分類のGroup IIは放置可能な病変である.
新旧分類の温度差を臨床医,病理医の双方が十分理解しなければならない.
Group 3 ; 腺腫
大事なことは新Group分類において,腫瘍性病変と判断された場合はGroup 3,Group 4,Group 5のいずれかのGroupに振り分けられるということである.